何をした人?
日本政府は2024年上半期(4~9月)に1万円札、5千円札、千円札の新紙幣を発行する予定ですが、その新紙幣で5千円札の肖像に選ばれた人物の津田梅子をご存じでしょうか?5千円札の肖像に選ばれた津田梅子について調査してみました。
津田梅子(つだうめこ)1864年江戸牛込南御徒町(現在の東京都新宿区南町)生まれ。
梅子の父は小さなころから英語やオランダ語を学び幕府に仕え、先進的な考えの持ち主だったと言われる農学者でした。梅子はそんな父の影響を受け、父の後押しで1871年6歳の時に親元を離れ、岩倉使節団の一員として渡米しその後11年間アメリカで過ごし1882年に帰国しました。
梅子はアメリカで英語やフランス語、ラテン語なども学びましたが、語学だけではなくアメリカの女性の教育レベルや地位の高さも学びました。帰国後の梅子がみた日本は、近代国家の基盤作りの段階で女性の社会進出や教育などといった状況ではありませんでした。梅子は11年間もアメリカで過ごしたので日本語も堪能でなく、梅子自身も仕事につくこともままならない状況でした。
1885年にようやく伊藤博文の家の家庭教師を経て、華族女学校の英語教師に就任できました。しかし、梅子は再びアメリカに留学することを希望し華族女学校に在籍したまま1889年に再びアメリカに留学しました。梅子はアメリカでブリンマー大学に入学し生物学を学びますが、大学で質の高い教育を受けた梅子は、女性にとっての教育の重要性を感じブリンマー大学在学中に自分のように学びたい女性の為にと日本婦人米国奨学金制度を設立しました。
梅子はその後1892年に帰国しますが、再びアメリカとイギリスへ留学し、帰国します。そして、女子教育への熱い想いから父や友人たちの協力を得て、1900年に女子英学塾(現在の津田塾大学)を設立し塾長に就任しました。
津田梅子は津田塾大学の創立者だったのです。女性の地位向上こそ日本の発展につながると信じ、男性と共同し対等に力を発揮できる女性の育成を目指して女性の高等教育に情熱を捧げた人でした。
なぜ津田梅子が選ばれた?
女性の高等教育に情熱を捧げた津田梅子ですが、2024年発行予定の新紙幣の肖像に選ばれたのでしょうか。
お札にはどんな人が肖像に選ばれているかご存じでしょうか?福沢諭吉、樋口一葉、野口英世など肖像に選ばれている人の共通点は、どの人物も国や人の為に役立つことをし歴史上に名前を残した文化人であることです。
津田梅子も女性の地位向上こそ日本の発展につながると信じ、男性と共同し対等に力を発揮できる女性の育成を目指して女性の高等教育に情熱を捧げた人で津田塾大学の創立者でした。日本の女性教育の為に尽力した人物ですね。
財務省のHPを見てみると以下のようなページを見つけることができました。
【紙幣の肖像の選定理由を教えてください】
【答】
新しい紙幣の肖像になる渋沢栄一氏、津田梅子氏、北里柴三郎氏は、それぞれの分野で傑出した業績を残すとともに、長い時を経た現在でも私たちが課題としている新たな産業の育成、女性活躍、科学の発展といった面からも日本の近代化をリードし、大きく貢献した方々です。三者ともに、日々の生活に欠かせず、私たちが毎日のように手に取り、目にする紙幣の肖像としてふさわしいと考えています。
なお、近年の改刷においては、 (1) 偽造防止の観点から、なるべく精密な写真を入手できること、
(2) 肖像彫刻の観点からみて、品格のある紙幣にふさわしい肖像であること (3) 肖像の人物が国民各層に広く知られており、その業績が広く認められていること
といった観点を踏まえて、明治以降の人物から採用しています。引用:https://www.mof.go.jp/faq/currency/07ap.htm
やはり、国民各層に広く知られていて、その業績が広く認められていることや日本の近代化をリードし大きく貢献した方、そして明治以降の人物からの採用ということで津田梅子が選ばれたのですね。