2019年に発表された、新紙幣の発行。2004年以来、20年ぶりとなる新紙幣の発行のニュースはまだ記憶に新しいのではないでしょうか?
新しい500円硬貨はいよいよ11月からの発行となります。
今回はそんな新札の発行日や発行の目的などについてまとめてみました!
新札の発行日はいつ?
新紙幣の発行は2019年に麻生財務省が発表したとおり、2024年上半期とされています。
前回の改刷は2004年でしたのでまさに20年ぶりの新紙幣の発行となりますね。
新紙幣の改刷のスパンがだいたい20年であるのは、偽造防止のためもありますが、工芸官の技術継承を確実なものにするため、各種の作業や手続きを知る方の知恵を伝えるためだとも言われています。
一万円札は、言わずとしれた福沢諭吉から「資本主義の父」渋沢栄一に。五千円札は、樋口一葉からこちらも女性、津田塾大学創始者の津田梅子に。千円札は、野口英世から「近代日本医学の父」といわれる医学博士の北里柴三郎に変更となります。
この歴史的にも名高い3名の採用については「新たな産業の育成、女性活躍、科学技術の発展など現代にも通じる諸課題に尽力し、新元号のもとでの新しい日本銀行券にふさわしい人物だ」とされています。
こうした新札が世の中にすっかり浸透するためには約2年以上の期間が必要だとも言われています。
日本には中央銀行として政府から独立した「日本銀行」があり、その日本銀行が「日本銀行券」として発行しているのがいわゆる「紙幣」です。日本銀行券は、国立印刷局が製造した後、日本銀行が製造費用を支払って引き取ります。
この段階では、銀行券はまだお金としての「紙幣」ではありません。
その後、各銀行などの民間金融機関が日本銀行に保有している預金を引き出し、日本銀行の窓口から銀行券を受け取ることによって世の中に発行され、お金としての「紙幣」の価値をもつのです。
民間金融機関が引き出した紙幣はその後、各民間金融機関から預金を引き出した個人や企業の手に渡り、様々な経済活動を経て世の中へと流通していきます。
流通した紙幣は再び民間金融機関への預金などを通して日本銀行へと戻っていきます。
日本銀行に戻った紙幣は、一枚一枚自動鑑査機に通され、偽造や枚数、破損や汚れがないかをチェックした上で、再流通に適しているかの選別が行われます。
こうした鑑査の結果、再流通に適していると判断された紙幣は日本銀行の窓口から再び民間の金融機関に供給され、傷みや汚れで流通に適さないと判断された紙幣は細かく裁断されてしまいます。汚れてしまった紙幣は偽造券との判別しにくいため最流通が止められてしまうといったわけです。
紙幣の寿命は意外と短く、一万円札で4~5年程度、五千円札や千円札は1~2年程度といわれています。
年間で処分される紙幣の量は、約3000トン。裁断された紙幣は、約半分がトイレットペーパーなどにリサイクルされ、残りは焼却施設で燃やされてしまうそうです。
こうして旧札はしだいに鑑査によって処分されてしまい、新札が流通のほとんどを占めていくんですね。
新札を発行する目的や意図は?
新札を発行する大きな目的としては偽造防止が挙げられます。
日本の通貨流通量は、2018年12月末時点で約110兆円と、世界各国と比べてもかなり高い水準となっており、その分紙幣の偽造防止強化は重要な意味を持ちます。2024年発行予定の新紙幣では、紙幣の中央などにある透かしには新たに高精細な模様が導入されるほか、世界初となる最先端技術を用いたホログラムが紙幣で初めて導入されます。日本の高度な技術が余すところなく使われているんですね。これなら偽造の防止も大いに期待できそうです。
ちなみに二千円札は流通枚数が少なく、偽造防止の必要性が低いとして刷新は見送られてしまいました。
二千円札はその他の紙幣とは少し事情が違い、2000年に開催された沖縄サミットとミレニアムを記念して発行されたもので、歴史も浅くあまり見かけることがありません。
表に首里城、裏に『源氏物語』の光源氏と冷泉帝、作者の紫式部が描かれた素敵な紙幣なのですが、私もアルバイト先のレジで7年ほど前に一度目にしただけです…。
沖縄サミット開催記念によるものからか、その流通の9割は沖縄となっているようです。
沖縄に行かれた際にお釣りなどでお目にかかることを期待したいものですね。
また偽造防止以外にも、金種の識別性向上などのため、透かしやホログラムの位置を変更したり、指の感触により識別できるマークの形状や位置の変更などが行われます。額面の数字の大型化などの工夫もあり、単純に偽造防止のための刷新だけではないことが伺えますね。