何度か参列しても意外と知られていないマナーが多いのが法事ではないでしょうか?冠婚葬祭の中でも「葬祭」は特にマナーが重んじられます。
お葬式後には、四十九日、百箇日、一周忌、三回忌、七回忌・・・と故人を偲び節目ごとに供養し法要が行われますが、四十九日や一周忌などに次いで重要な三回忌法要での香典のマナーについてご紹介したいと思います。
3回忌の香典に新札を入れていい?
葬儀に参列する際に持参する香典には新札は入れないというのがマナーです。葬儀は予期せぬ出来事で事前に用意をしておくものでありません。新札を入れるのはあらかじめ用意していた印象を与えてしまうため香典に新札を入れるのは良い印象を与えません。
では、三回忌の法要で香典に新札を入れるのは問題はないのでしょうか。
三回忌の香典も葬儀や一周忌と同じように一般的にマナーとしては新札は入れないということになっています。香典は不幸を待っていたかのようであるという意味を避けるため三回忌に限らず、葬儀も一周忌などの香典は新札は入れず旧札を入れるのがマナーとなっています。しかし、旧札といっても汚れや皺が多い場合にはそれも失礼にあたるので旧札であっても状態を確認して入れるのがマナーです。
なぜ香典に入れるお札が決まっている?
香典に新札を入れてはいけないというマナー。そもそもどういう理由から入れてはいけないとなっているのでしょうか?
香典とは死者の霊前に供える金品のことで、線香の代わりに供えるものです。
私たちの日常で、お札の新札は通常の流通では手に入りにくいもので、もし新札を入手するとなると銀行などで新札に両替するなどしてあらかじめ準備しておく必要があります。香典のためのお金をあらかじめ新札で準備するということは受け取る人の死を待っているような意味合いにもとれるので香典に新札を入れることはマナーに欠ける行動となってしまいます。
死などの不幸は前もって予測ができないものであり、準備されたかのようなイメージを与えてしまう新しいお札を入れるのではなく日常の生活で使用しているお札を入れるという決まりになっています。
なかには新札や古札などあまり気にしない人もいらっしゃいますが基本的には新札は避けておくべきです。しかし、古札であればなんでも良いというものでもなく、お札が破れていたりあまりにも汚れがひどいものはかえって失礼にあたるので避けるよう気を付けるべきですね。
香典は新札ではなく、ある程度使用された古札を入れるのが一般的なマナーですが、もしも手元に新札しかなかった場合にはお札に折り目をつけるなどして新札であるという印象を与えないように工夫してから入れても問題はありません。
香典の金額は?
香典は霊前に供える線香の代わりの金品ですが、包む金額は一体どのくらいであればよいのでしょうか。
香典の金額は亡くなった方とのお付き合いの度合いによってさまざまです。そして、三回忌は宗派によって多少の違いはありますが施主のあいさつから始まり、読経と参列者の焼香を行い法要が終了すると会食があるのが一般的な流れになります。香典は故人との付き合いの度合いと会食などを考慮した金額を包むのが一般的です。一般的な香典の金額の相場は以下のとおりです。
★ 故人が自分や配偶者の両親、兄弟、姉妹、祖父母など・・・1~3万円
★ 故人が自分や配偶者の叔父、叔母、甥、姪、曽祖父母、従兄弟、従姉妹、遠縁の親戚など・・・5千円~2万円
★ 故人が自分の友人や知人など・・・3千円~2万円
★ 故人がご近所の親しい方など・・・3千円~1万円(地域によって取り決めがある場合もある)
三回忌の香典の金額の相場は以上のようになっています。会食がある場合は、会食の予算は1人当たりおおよそ3千円~1万円で準備されているので上記の香典の金額に上乗せして包む金額を考慮する必要があります。
香典を包む際にもマナーがありますので少しご紹介します。香典の包む金額によって香典袋に違いがあります。
【包む金額ごとの香典袋】
3千円~5千円・・・水引がプリントされている封筒タイプの簡略香典袋
1万円~2万円・・・白黒もしくは白黄の水引をかけた香典袋
3万円以上・・・包みの素材は和紙で双銀または黒白の水引をかけた香典袋
香典袋にも上記のようなマナーがあります。
香典を渡すのはいつ?
三回忌の法要に参列したとき、香典を渡すのはいつどのタイミングがよいのでしょうか。
三回忌の法要が営まれる場所によっても違いがあります。
近年では斎場などで三回忌の法要が営まれることが多くなっています。斎場などの会場の場合は受付が設置されているので会場に入るときに受付で渡します。香典袋を渡すときは受付をしている方からみて香典袋の表書きを正面にして手渡しします。故人の自宅で営まれる場合は伺った際に直接施主に一言ご挨拶をし、施主からみて香典袋の表書きを正面にして手渡しします。
今回は三回忌の香典のマナーについてご紹介しました。三回忌法要に招かれた場合は参列した際に故人や親族、他の参列者に不快感を与えることの無いよう気を付けなくてはなりませんね。